IBU EUROPE OFFICE

IBU卒業生の紹介

VOLUME 01

サンティアゴ・ファリアスさん

<プロフィール>

  • 出身国:アルゼンチン
  • 専門武道:剣道

IBUに入る前はどのように武道(剣道)の稽古をしていましたか?

IBUに入る前、私は自分が住む街にあった唯一の道場で稽古をしながら、8年間インストラクターもしていました。指導者がいなかったので、年に34回ほど全国セミナーに参加し、2週間の出稽古にも行きました。行先はブラジルに3回、JICAの先生がいるウルグアイに2回、日本に2回です。また、剣道の稽古以外にもランニングやジムでのトレーニングも行っていました。

武道(剣道)はいつから、どのように習ってきましたか?

剣道を始めたのは13歳の時で、高校に入ったばかりの頃でした。最初の指導者はセルジオ・グアルディアで、彼は私の住む街では剣道の先駆者でした。しかし、3年後に別の街へ行ってしまい、その後、先輩にあたるアレクシス・ロルダンが引き継いだので彼の指導を受けてました。そして彼はのちに指導を私に委ねました。

別科に入学した動機を教えてください。

大学卒業後、私は剣道の強化に長期間専念したいと考えていました。優れた指導者のもとで毎日2回の稽古がある別科は、私にとって最適でした。また、私はアルゼンチンナショナルチームの一員なので、世界選手権に向けて準備をしたいという思いもありました。

別科で何を体験し、何を感じましたか。

別科では、剣道界でも最高レベルに匹敵する大学トーナメントに向けて、日本人学生が行っている稽古を体験することができました。基本稽古、理論実習、日本剣道形、初心者への指導法など、指導者養成のための授業にも参加することができました。さらに毎週日本語の授業があり、定期的に日本文化の授業があることもとても興味深いことでした。

 

稽古や日本語、武道についての勉強でとても忙しかったですが、日本や他の国の人たちとの絆を深める機会にもなったと思います。別科で築いた友情はとても貴重で、そこで出会った人たちと今でも連絡を取り合えることを嬉しく思っています。

卒業生の声

国際的な活動の武道家

これから別科を目指す人へアドバイスをお願いします。

稽古が厳しいので体のコンディションを整えておくことをおすすめします。そして何よりも、毎日稽古に参加できるように覚悟を決めることです。海外では週に34回の稽古が多く、基本的に皆もっと稽古をしたいと考えています。しかし、別科在籍中はとても疲れるので、稽古に行く気が起きないこともあります。そこを「我慢」して、できるだけ多くの稽古に参加することが大切です。それが別科生に期待されていることだからです。剣道の稽古に専念する1年間ということですね。できるだけ日本人学生、そして先生方と稽古するように頑張ってください。学生数が多いので難しいですが、毎日積極的に取り組めば先生方と稽古ができる機会も増えていきます。また、授業も日常生活もすべて日本語なので、事前に日本語を勉強してから入学することをお勧めします。

今、武道(剣道)で目標としていることは何ですか。

数年来の目標は世界大会で優勝することです。私は稽古に力を注いできました。自分のレベルが上がるにつれて、日本人選手のレベルの高さを感じることが多々ありますが、今後もこの目標を掲げて稽古や試合を続けていくつもりです。

帰国後はどのように剣道と携わりますか。

IBUで剣道の基礎を向上させることができたので、帰国後はそれをアルゼンチンの剣士たちに伝え、アルゼンチン剣道の発展のための確かな土台作りをしたいです。あと数年は代表チームとして活動を続け、その後は代表チームのコーチになりたいと思っています。

帰国後、どのような仕事に就きますか?

家族で経営する会社で管理部門の仕事をするつもりです。

剣道に対しての考えを教えてください。

剣道は日本文化を根深く残している武道だと思います。厳しい稽古の中で身体能力はもちろん、忍耐力や努力といった資質も養われます。また、経験豊富な人への尊厳を大切にしていて、世代を超えた交流を通じて人間的な成長に役立ちます。自分より長い道のりを歩んできた人たちの経験から学ぶことは、成長のために不可欠です。また、剣道界では常識かもしれませんが、レベルの異なる人たちと稽古することで、自分がどのような道を歩んできたのか、何すべきかに気付かされることがあり、初心に戻って謙虚さを養うことができると思います。

IBUや別科に対する意見を聞かせてください。

IBUの最も良い点は、施設がとても充実していること(外国人用の住居はとても快適)、国際室が必要に応じて常に対応してくれることです。また、最も特筆すべき点は、剣道の知識が豊富で、自分の限界を超えるよう背中を押してくれる強くて良い先生方が揃っていることだと思います。真面目に稽古に打ち込めば、必ずレベルを上げることができます。稽古が本当に好きで、剣道が人生において重要な位置を占めているのであれば、別科は剣道家として成長するために十二分な経験を提供してくれると思います。

最後に、IBU剣道部監督の岩切公治先生(教士八段)のインタビューと、ニック・リチャードソン(英国出身)と私のIBU別科での経験についてのインタビューを紹介させていただきます。

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